≪ドイツでの演奏会≫06.07.2011

先月15日、ドイツのニューンベルグ近くの町で演奏会がありました。正式にはニューンベルグ(Nurnberg)ととても名前の似ているノゥンブルグ(Neunburg)という山間の小さな町です。パリから電車でシュトゥットュガルトを経由しその後2度乗り換えての約8時間の旅。電車に揺られながら「昔は月に一度こういう旅をしていたんだな」と、イタリアで学んだ日々を思い出していました。あの4年間のお陰で旅にはすっかり慣れたようです。最終目的地に到着すると、今回のオーガナイザーであるドイツ人女性が駅ホームで待っていてくれました。彼女の運転する車で今回の滞在先である彼女のご実家へ。美しい緑が果てしなく続くその風景は、忙しないパリから一変し別世界へ来たようでした。さて、演奏会の会場となったのはある高校の音楽室。その高校は丘の上にあり、町から少し離れていて人の気配も全く無かったので「今夜お客さんは来てくれるのか!?」と直前まで心配しながらいざ本番!ドアを開けるとその心配をよそに、会場いっぱいのお客様が迎えてくださいました。その日はとても暑い日で、さらに人の熱気で室内の気温も上昇。エアコンなどの設備も無いため、とにかく蒸し暑くて休憩時間には窓を全開し換気をしながらの本番でした。ピアノは新品のスタンウェイで、なんと4年間に渡るプロジェクトの末先日購入されたばかりとのこと。まだほとんど弾かれていないピアノだった為に音は若かったですが、丸みのあるとても柔らかな音色で、弾けば弾くほど変化する音に夢中になり本番ギリギリまで弾いていました。今回のプログラムの最後は、ずっと憧れ続けていつか弾いてみたいと思っていたシューマンの交響的練習曲。その難曲に取りかかるのが恐れ多く、いつも取りだしては止め少し練習しては止め・・を繰り返してきたのですが、せっかくの機会なので挑戦してみようと思い切ってプログラムに入れてみました。技術的にも次々に高度なテクニックを要され、それを超えてドラマティックで壮大で華やかなこの音楽を表現するのは至難の業です。苦労しながらも、大好きなこの勉強している時間は幸せでした。(これから勉強していけばいくほど、こんな事は言ってられなくなるのでしょうが・・・笑・)またいつかリサイタルで演奏出来たらと思います。そして演奏会中のちょっとした出来事。1曲目のスカルラッティのソナタが始まってすぐ、ふと視界に入ってきた前列のお客様の足。なんと足でリズムを取っているではありませんか!曲が変わりトルコ行進曲になるとそれは激しさを増す一方!!! 楽しんでくださっていたようなので嬉しい悲鳴なのですが、さすがに集中力が遮られてしまい「集中!集中!」と自分に言い聞かせながら、意識をそらすのが大変でした^^;以前、有名な方の演奏会で、そのピアニストがスカルラッティのソナタを弾き始めると、客席のどこからかなんと5拍子をカウントしているメトロノームの音が!!ざわつきながらも誰も止めることはなくしばらく鳴り続け、「さぞ演奏しづらいだろうな・・」と気の毒に思いながらも、動じることのない素晴らしい演奏にいつしかその事を忘れていました。コンサートでは何があるかわからないですね。それでも音楽は「時間芸術」なので、どんな事があっても弾き続けなければいけません。一つ一つが経験ですね。

 アンコールも弾きおわり演奏終了後、花束と(さすがドイツ!)陶器で作られたジョッキを頂き、心温まる雰囲気の中無事演奏会を終える事が出来ました。来てくださったお客様との楽しい時間。言葉は通じなくてもこうして音楽を通して気持ちが通ずるようで、改めて音楽の力は偉大だなと感じました。出会いをもたらしてくれる音楽に感謝です。PS.滞在先のお宅には野菜やフルーツが何でも採れる大きなお庭があり、練習の合間にはオーガナイザーの友人と真っ青な空の下お昼寝!聴こえてくるのは、鳥のさえずりのみ。最高に贅沢な時間でした♪♪

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